この記事では、住民税の納税で会社に副業がバレてしまう仕組みや、会社にバレる可能性を下げるための対処法を解説します。
住民税とは?申告はいくらから?
住民税とは、各自治体に納める税金の総称です。住民税の納税額は、住んでいる地域と前年度の所得によって変わります。
住民税を納税するための申告は「◯万円以上」の人といった範囲がなく、所得が発生したら必ず行わなければいけません。
ただし確定申告を行っていれば、同時に住民税の申告もしたことになるため、別途特別な手続きは必要ありません。
なぜ、住民税で副業が会社にバレるの?
住民税は基本的に、本業と副業による所得の合計に対する納税額を、会社の給与から天引きされて納税されています。
天引きされる納税額は、自治体から会社に通知されることになっています。その際に、本業の会社でもらっている給与に対する納税額よりも大きい金額が通知されます。
結果、会社の経理担当の方はあなたが会社以外から収入を得ていることに気づくことができてしまうのです。
会社にバレないようにする方法は?
会社が従業員に代わって、給料から天引きで住民税を納めることを「特別徴収」と呼びます。
この特別徴収に対して、住民税を自分で納めることを「普通徴収」と呼びます。住民税を普通徴収で納める場合、会社に住民税の納税額を知られることがありません。
つまり、自分の住民税の納税方法を、普通徴収に変更することができれば、会社に副業がバレる可能性がかなり低くなるのです。
住民税を「普通徴収」で納める方法
住民税を「普通徴収」で納める方法は簡単で、確定申告のときに住民税に関する箇所で「自分で納付」にチェックするだけです。
「自分で納付」にチェックをすると、副業による所得に対する住民税は自分で納付することになります。つまり、自治体から会社に通知される納税額に副業の所得が反映されることはなくなり、経理担当者にバレる事もなくなります。
住民税の納税方法を普通徴収にした場合、当然自分で住民税を支払うことになるので忘れずに納税しましょう。
上記の手続きは、2月15日から3月14日の確定申告の期間内に行いましょう。また、普通徴収の手続きは、毎年行なわないといけないので、忘れないように気を付けましょう。
ただし、普通徴収ができない場合もある
住民税の普通徴収について、注意しておきたいのは「必ず普通徴収が認められるわけではない」ということです。
普通徴収が認められない次の3つのケースについて解説します。
- 自治体の職員が確認漏れをしてしまう場合
- 給与所得のアルバイトをやっている場合
- そもそも自治体で認められていない場合
自治体の職員が確認漏れをしてしまう場合
まず気を付けたいのが「自分で納付」にチェックしても市区町村役場の人がチェックもれしてしまう可能性があることです。
5月に納税通知書が役所から会社に送られてくることになってるので、申告後に少し時間を置いて電話し「自分が普通徴収になっているか」を確認しておくと、確認漏れを防げる場合があります。
給与所得のアルバイトをやっている場合
副業がアルバイトなどの場合は、特別徴収しか選択できない可能性が高いです。これは、アルバイトなどでの所得が「給与所得」と呼ばれるもので、基本的に特別徴収しか認められていないためです。
この場合は、確定申告のときに気づいてもどうにもならないので、仕事選びの段階から注意しておきましょう。
詳しいルールは管轄の自治体によっても異なるので、気になる方は電話などで問い合わせて確認しておきましょう。
そもそも自治体で認められない場合
多くの自治体では「特別徴収」が推奨されており、「自分で納付」にチェックしていても、普通徴収にならない場合があります。
この辺りも、詳しいルールは管轄の自治体によっても異なるので、気になる方は電話などで問い合わせて確認しておきましょう。
普通徴収が認められなかった場合の対策法
納税方法が普通徴収として認められなかった場合、会社は住民税の額がおかしいことが会社に気づかれてしまいます。
もし、住民税について聞かれた場合には、確定申告をしたことを正直に答えても問題はありません。なぜなら、副業をした場合以外でも、ふるさと納税をした時などに確定申告が必要な場合などがあるからです。
どうしても会社に副業がバレたくない方は、ふるさと納税も少しやっておいて、確定申告をした理由を問われた場合には「ふるさと納税をして確定申告をした」と伝えておくと、100%ではありませんが、トラブルを避けられるかもしれません。
ちなみにマイナンバーは関係あるの?
税金や所得についての話になると、マイナンバーでバレることはあるのか?というのが気になりがちですが、マイナンバーによって副業が会社にバレる可能性はほぼありません。
マイナンバーの利用目的は法律で定められており、一般企業が個人の収入を知るなどの目的で利用することはできません。
しかし、マイナンバー制度の導入により、国や自治体による個人の収入把握は容易になりました。そのため、あなたに確定申告の必要があるかどうかは、すぐに国に把握されてしまいます。
結果、確定申告を怠ると、脱税とみなされ給料が差し押さえられる可能性もあります。そうなれば当然会社に副業はもちろん、脱税行為までがバレてしまうことになります。このような状況にならないためにも、確定申告はルールに従って必ず行ないましょう。
この方法は100%実行できるわけではありません。
会社に「副業は事前に申請すること」などのルールがある場合は、副業がバレないようにするより、ルールに則って申請しておくことをおすすめします。