この記事では、ニュースなどでよく耳にする「副業解禁」とはどういうことなのかを解説します。
副業解禁、でも7割の企業が副業を禁止?
副業の解禁が話題となった発端は、政府が「働き方改革」を進める一環として副業を推奨するようになったことです。
具体的には、厚生労働省が企業向けに作成している「モデル就業規則」の中に、副業を認めるような文章を追加したことなどが話題となりました。
モデル就業規則に追加された文章
第14章 副業・兼業
(副業・兼業)
第67条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、企業の利益を害する場合「モデル就業規則」より
「モデル就業規則」は多くの企業が就業規則の手本としている文書なので、多くの企業が副業を認めるか認めないかについて考えるきっかけとなったはずです。
しかし、実際には「モデル就業規則」はあくまでお手本、見本であって、副業を認めるか認めないかは企業の判断に委ねられています。
実際、株式会社リクルートキャリアが2018年に上人事部、もしくはその他部署の管理職の正社員に対して行った「兼業・副業に対する企業の意識調査(2018)」では、全体の7割強の企業が副業を禁止していることが分かりました。
結局副業はしてもいいの?
実際にこの記事を読んでいるあなたが副業をしてもいいかどうかは、自分の会社の就業規則や雇用契約書を確認することでわかります。
7割強の企業が副業を禁止していると聞くと、多くの企業が副業を禁止しているように聞こえますが、逆に考えると3割の企業、つまり4社中1社以上の企業が副業を認めているとも言えます。また、近年はヤフーやみずほ銀行といった大手企業でも副業を認めており、副業を認める企業の割合はもっと大きくなっていくはずです。
大抵の企業の場合、就業規則の中に「副業・兼業」に関する項目が見つかるはずですので、これから副業を始めようと思っている方は、ぜひ一度自分の会社の就業規則を確認してみましょう。
副業の始め方
実際に副業が会社で認めれていて、副業を始める時には以下のようなステップを踏んで始めるのがおすすめです。
副業をやってもいいか確認する
前述の通り、会社のルールは必ず確認しておきましょう。
また、家族がいる場合には家族にも事前に相談しておく方がいいかもしれません。副業をやれば、収入は増えますが、その分家族との時間が取れなくなるなど、家庭への影響も少なくありません。
後々揉めることがないように、自分が副業をやれる状況にあるのかを事前に確認するようにしましょう。
自分のスキルや使える時間を確認する
次に、自分のスキルや使える時間を確認しておきましょう。
副業をやる場合、自分に知識、経験のある仕事を選んだ方が収入につながりやすいです。誰にでもできる仕事で稼ぐこともできますが、誰にでもできる分単価は低くなりがちです。
また、自分がどれくらい副業に時間を割けるのか、も確認しておきましょう。何も考えずいくつも仕事を受けてしまい、本業や健康に支障をきたしてしまっては本末転倒です。まずは、睡眠時間を削らない程度に無理なくできる時間がどれくらいかを把握するようにしましょう。
目標を決める
次に、副業で達成したい目標を決めましょう。
目標は、収入の額でもいいですし、こんなスキルを身につけたいというようなこと、あるいはこんな人脈を作りたいなど、様々な決め方があります。
自分のやる気がわくような目標を設定することで、副業をしっかりと継続できるようにもなります。
副業を選ぶ
スキルや確保できる時間、目標が決まったら、どのような副業をやるかを選びましょう。
初心者の方は、まずはクラウドソーシングを活用するのがおすすめです。
自分のスキルを活かしたお仕事を選べる上に、難しい契約書や請求書のやる取りなども不要で仕事を始めることができます。
クラウドソーシングを活用しない場合も、自分のスキルや確保できる時間、目標をもとに、適切な副業を選んでいきましょう。
始める
どの副業をやるかまで決まったら、まずは始めてみましょう。
やってみることで、自分にはどんな副業が向いているのかが見えてくることもあります。
副業をやるときは確定申告に注意しよう
副業をやるときに気をつけておきたいのは、確定申告です。
副業をやって確定申告が必要になるのは、「副業での所得が20万円を超えた場合」です。
副業での所得が20万円を超えているのに確定申告を行わなかった場合、無申告税や延滞税を課せられることがあります。副業得た収入がいくらになっているのかを正確に把握して、きちんと確定申告を行いましょう。