関西弁のおばちゃんが教える日銀の金融緩和の「総括的な検証」

黒田はんがレポートだしよった。なんや言うとることがようわからんやろからワイが説明すっべ

1.「量的・質的金融緩和」はどんな効果があったのか?

日本は、15年以上、物価が持続的に下落するデフレでした。

15年以上こんにゃくの値段が下がり続けててん。何でも安くなっていくから買うなら後の方がいいねん。テレビもしばらくしたらまた安くなるやろ

これに対処するため、日本銀行は、2013 年1月に「物価安定の目標」を消費者物価上昇率で2%と定め、これを実現するため、4月に、大規模な金融緩和である「量的・質的金融緩和」を導入しました。

黒田はんがこんにゃくの価格を毎年2%上げるって約束してん。てことは今のうちにこんにゃく買っといた方がええってことなるやん

その後3年強。過度の円高は是正され、株価は大きく上昇しました。失業率 は3%まで下がり、ベアは3年連続で実施されました。日本の経済・物価は 好転し、デフレではなくなりました。

こんにゃくの価格は2%も上がらんかったけど、価格が下がり続けることはなくなってん

もし、「量的・質的金融緩和」をやっていなかったら、という仮定をおいて、 経済や物価がどうなっていたかという試算(シミュレーション)をしてみました。その結果、前提を変えた4つのケースのうち3つでは、デフレ状態が 続いていたとの結果になりました。

なんかいろいろ計算すると黒田はんがこんにゃくの価格を毎年2%あげるって言わんかったら価格は今でも下がりつづけててん


2.なぜ2%が実現していないのか?

日本経済はデフレではなくなったとはいえ、2%は実現していません。何が 原因だったのでしょう。

でもこんにゃくの価格2%上がってないやん。なんでや?

「量的・質的金融緩和」には2つの効果波及経路があります。

①2%の目標 を実現すると強く約束し、実際に大規模な緩和を行うことで、人々の物価に 対する見方を変えること(予想物価上昇率の引き上げ)

②大量の国債を買うことで金利を引き下げること(名目金利の引き下げ)

の2つです。この2 つによって、物価見通しを勘案したうえでの金利(実質金利)を大幅に引き下げ、それが経済を刺激し、物価が上がるというメカニズムを想定していました。

2%あげる約束してんけど、①みんながそれをほんまやいうて、②銀行はんがこんにゃく買うカネ貸してくれへんと、こんにゃくの価格は2%も上がらんおもっとったわ

このメカニズムは当初うまく機能し、実施1年後には消費者物価は 1.5% (消費税の影響を除くベース)まで上昇しました。ところが、その後、

①2014 年夏以降の原油価格の下落と消費税率の引き上げ後の需要の弱さ、

②2015 年夏以降の新興国経済の減速とそれを受けた世界的な金融市場の不安定化 という逆風が吹いて、実際の物価上昇率が低下してしまいました。その結果、 予想物価上昇率の上昇も止まってしまったことが、2%を実現できていない 原因です。

最初はみんながほんまやいうてくれて、銀行はんもこんにゃく買うならカネかすでーいうとった。でも①ガソリン高こうなって、消費税もあがって、②なんか株で金吹っ飛ばしたからこんにゃく買えんいうやつが増えて2%もこんにゃくの値段があがらんやった

この3年強の予想物価上昇率の動きを見たのが、下の図です。逆風が吹いた 時期に合うタイミングで、上昇→横ばい→弱含みと局面変化が起こっていま す。

こんにゃくの価格をグラフにしたらワイの言うとることが正しいと分かるばい


3.わが国の予想物価上昇率の決まり方には、どんな特徴があるのか?

予想物価上昇率(人々が予想する物価の上がり方)は、

①「中央銀行の目標 である2%に向かっていくだろう」という予想の要素(フォワードルッキン グな期待形成)と

②「過去の物価状況が続くだろう」という予想の要素(適合的な期待形成)の2つで決まります。

こんにゃくの価格がどうなるかっちゅうのは、①2%あがるんちゃうやろかっていう勘と②こんにゃくの価格が昔どうやったかっちゅうばあちゃんの話を聞いてどうおもうかできまるっちゅうこっちゃ

日本の場合、ほかの国に比べて、②の要素が強い、つまり過去の物価上昇率 に引きずられやすいといわれています。

日本はばあちゃんの知恵袋ちゅうほど、ばあちゃんの話はちゃんときかなあかんよっていう風潮やから、ばあちゃんの話を信じやすいねん

その理由はいくつかありますが、春闘など日本の賃金交渉の際、「前年度の 物価上昇率」が勘案されることもそのひとつです。米欧では、先行き数年間 の賃金を交渉することが多いため、中央銀行のインフレ目標(だいたいどの 先進国も2%です)が賃金決定の重要な要素になっています。

なんでかっていうと、昔はこうやったからこうすっべかっていうやつが多かけんそうなるとばい


4.マイナス金利はどのように効いているのか?

「予想物価上昇率」が弱含む中で、日本銀行は、「名目金利の引き下げ」を さらに強力に実施するため、2016 年1月「マイナス金利付き量的・質的金 融緩和」を導入しました。

黒田はんはそういえば、金借りても利子払わんでええ、逆に借りてやっとるんやから手数料取れやっていってはった

これは、金融機関が日本銀行に預けている当座預金の一部に▲0.1%のマイ ナス金利を適用するものです。このマイナス金利と長期国債の買入れという 組み合わせは、とても強力に、各年限の国債金利を引き下げました。特に長 めの期間の金利の低下が目立っています。

100万借りたら1,000円は毎年お小遣いとしてもらってもええんちゃうかっていう制度や

この点、各年限の金利の低下に、日本銀行の政策(長期国債の買入れ+1月 以降はマイナス金利)が影響したのか、試算したのが下のグラフです。マイ ナス金利導入で金利引き下げ効果が大きくなっていること、特に長い年限ほ どそれが顕著であることがわかります。

そしたら麻生はんもそれに便乗して10年後に金返すからいうて金を借りまくったんや。そして金借りてやったんやから手数料くれやいうとる


5.マイナス金利は、貸出金利などに波及しているのか?

「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」によって、国債金利は大きく低下 しています。これは、貸出・社債・CPなどの金利にも波及しており、これ らの金利はしっかり低下しています。

銀行はんは手数料くれへんかったし、利子もほんの少ししか下げんかった。ケチやのう。

政策金利の低下幅を 100 としたとき、各種金利の低下がどの程度生じたかを 過去の利下げ局面と比べたのが下の図です。今回の波及度合い(追随率)は、 過去の利下げ局面と同じ程度です。

グラフにしてみてもわいのいうことが正しいちゅうことがわかる


6.マイナス金利の金融機関への影響は?

5.で「貸出金利がしっかり低下している」と書きましたが、このことは、 金融機関収益を圧縮する形で生じていることには注意する必要があります。 すなわち、預金金利の低下幅は小さい一方で、貸出金利が大きく低下してい るということは、その間で金融機関収益は小さくなっていることを意味しま す。

銀行はんが利子を少しさげたっちゅうことは、銀行はんは儲けが減ったんとちゃうの?

実際、貸出金利(図1)は、金融機関間の競争が厳しい中でトレンドとして 低下してきましたが、マイナス金利の導入後、低下の角度が急になっていま す。預金金利も低下していますが、その幅は貸出金利より小幅です(図2。 目盛が図1よりも小さいことに注意してください)。

そうやな。グラフでみても減っとるのが分かる

また、保険や年金などの運用利回りの低下などの影響も出ています。直接的 なマクロ経済への影響はそれほど大きなものではないと考えられますが、マ インド面などを通じて経済活動に影響する可能性があります(図3)。

金たくさん持ってカネ貸したりして儲けとった保険屋も年金屋もあんま儲からんようになってきよる


7.どの年限の金利を下げると、経済や物価に効果があるのか?

過去のデータを使って分析すると、金利が同じくらい下がった場合、1~2 年の金利が下がった場合の効果が一番大きく、年限が長くなるにしたがっ て、効果は小さくなります(図1)。

金借りる時いつ返すかっちゅうことが大事なんやけど、来年とか再来年とかに返すゆって借りてる金の利子を下げてもらった方がなんやこんにゃくの価格に影響するらしいですわ

これは、金融機関の貸出の多くが短期市場金利に連動する貸出や5年程度ま での固定金利貸出であることによるものと考えられます。

なんか銀行はんはあんまり長くかねは貸さんから、来年とか再来年とかの金の貸し借りがほとんどやからっちゅう理由らしいわ。

ただ、最近は10年を超える超長期の国債金利の低下を受けて、超長期の社 債の発行が急増するなど、企業金融面で新しい動きも生じています(図2)。 こうした動きによって、これらの関係も変化する可能性があります。

でも最近は20年後に返すわっていってカネ貸してくれたりする銀行はんも出てきてるらしいばい


8.新しい枠組み「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」では、どうやって、 予想物価上昇率を引き上げようとしているのか?

2%の物価安定の実現のためには、弱含んでしまった「予想物価上昇率」を 引き上げなければなりません。

こんにゃく2%価格あげるには、価格があがるっちゅうことを信用する人を増やさなあかん

3.で書いた通り、予想物価上昇率は、①2%の目標に向かう「フォワード ルッキングな期待形成」と②過去の物価上昇率にひきずられる「適合的な期 待形成」の2つで決まりますが、日本は、もともと②の要素が強いという特 徴があります。

さっきもいったけど、ばあちゃんの言うことが日本は通りやすいっちゅうことがあったな

この要素が、原油価格の下落などの逆風によって、予想物価上昇率の押し下 げに働いたことが、2%を実現できていない原因です。

なんやガソリンの価格も下がってるし、ばあちゃんはこんにゃくの価格もさがるやろいうとるのが2%こんにゃくの価格が上がらん原因やないか思っとる

そこで、①の要素を強める方策を採ります。具体的には、物価上昇率の実績 値が安定的に2%を超えるまで、通貨供給量(マネタリーベース)を増やし 続けると約束することにしました。

やから、ばあちゃんの言うことよりも、価格が上がるんちゃうかっちゅう勘をもっとみんなに信用してほしいんよ。やから、こんにゃくの価格が2%超えるまで、銀行はんにお金もたくさん貸すし、もうなんでもするーて黒田はんがいいよったんよ

これによって、「2%が実現する」とい うことに対する人々の信認を強めることを狙っています。

さすがに黒田はんがそこまでいうなら、ばあちゃんも黒田はんのことをしんようするんちゃうか思うねん

日本の通貨供給量は、経済規模対比で80%と欧米の4倍です。これがあと 1年少し経つと100%を超えていきます。その位大規模な金融緩和を、実 際に「2%超」の物価上昇を目にするまで続けるということです。

日本はもうこんにゃくを買う金を銀行はんに大量にかして、その量が世界でもすごい量になってきてん。もうすごい量なんやけど、こんにゃくの価格が2%あがるまではもう手段選ばずなんでもやる黒田はんが約束してくれてん


9.新しい枠組み「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」では、どのように 短期や長期の金利を操作しようとしているのか?

1.で書いた通り、「量的・質的金融緩和」は実質金利を下げるという効果 を通じて、デフレではない状態を作り出しました。この効果を追求するため、 短期と長期の金利を操作する「イールドカーブ・コントロール」を導入しま す。

黒田はんはなんでもするっちゅうても何やるかまで教えてくれはった。こんにゃく買うかね借りるなら、利子なんかとらんでいい言うとった。でもとっとるやつがおる。だから利子とらんようになるまで見張っとくし、わしが直接きめるいわはった

操作するための方法としては、4.で書いた通り、マイナス金利と国債買い 入れの組み合わせが有効であることがわかりましたので、これを使います。 また、操作を円滑に行うため、新しいオペレーション手段(日本銀行が指定 する利回りによる国債買入れ<指値オペ>など)も導入します。

どうやって決めるかっちゅうと、黒田はんが利子をきめてお金を銀行にかしたるっていわはった。

これらによって、経済・物価・金融情勢を踏まえて、2%の「物価安定の目 標」に向けたモメンタム(勢い)を維持するように、最適なイールドカーブ (短期・長期の金利)の形成を促します。

こうすればみんなも黒田はんが言うた利子を意識しはじめるんやないやろかと黒田はんは思うとらす

このほか、「量的・質的金融緩和」以来使ってきた様々な資産買入れを拡大 することや、状況によっては、マネタリーベースの拡大ペースを加速するこ とも、追加緩和の手段として用意しています。

黒田はんはそれだけやのうって、こんにゃくも直接買う量を増やすし、銀行はんに貸すお金の量も増やすしなんでもするいわはった

これだけ黒田はんが手当たり次第にやってくれはっとるから、みんなそろそろこんにゃくの価格が2%あがる信じてくれんかね

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